医療/救急施設・介護老人保健施設(老健)・多機能型居宅介護施設・障がい福祉サービス施設等をご提供する、医療法人幕内会

医療法人 幕内会

幕内幹男理事長ごあいさつ

幕内幹男

医療法人幕内会理事長
山王台病院院長

幕内幹男
Makuuchi Mikio
癒しの環境の中で高度な医療を提供するために

史上類をみない少子高齢化が進む中、これから患者様が心から求める医療とはなんなのか、我々医療スタッフがめざすものとはいったいなんなのかを考えると、それは本来の医療の本質である「生命の救出」ではないかと思うのです。尊厳死や緩和ケア、老人切捨て医療は、ある意味社会的なものであり、宗教的なものでもあり、決して我々医療人がめざすものではないと思われます。
しかしながら、救急急性期医療とは、我々医療人にとっては最も過酷なものであり、身を削る業務でもあります。時にはその恐怖におののき、かつて存在した救急医療体制の愚に伴うたらい回しに似た現象が、別の意味での責任逃れのたらい回し現象となっているというのが今の医療の現状です。
また、医師を含めたスタッフの整備はもとより、極めて高額な医療機器の購入も、大変に困難なものがあります。従って、私ども堕落した医者は、その義務を放棄しつつあるのです。そこで私はもう一度、医療本来の情熱を震い立たせるべく、この無謀とも思われる救急・循環器リハビリセンターと眼科・内科クリニックの新設を行いました。
これらには、当法人の大きな懸案事項であった救急医療体制の充実のためのERの増設と循環器医療に極めて有効な県内唯一の高性能64チャンネルマルチスライスCTスキャンの導入が果たされました(2013年8月より日本国内初の256列CT【iCT ELITE】を導入致しました)。また、第二の懸案としては病床不足の解消と透析医療の充実ということもありました。
また、救急医療の整備と同時にその療養環境はどうでしょうか。幻の経済大国・日本は、発展途上国より療養環境はなぜか極めて劣っています。誰しもが訪れる可能性のある生死に関わる環境としては、あまりにもお粗末なものではないでしょうか。ホテルのような病院と申しますが、これはすでに死語です。病院のようなホテルと言うべきではないでしょうか。その意味で、第三の懸案事項は医療環境の充実でした。時には辛い治療も、日常かつリラックスした中で受けていただけるよう、可能な限りの予算の中で、決して贅沢な材料などは使わず、精一杯の工夫をしたつもりです。癒しの環境の中で、高度な医療を提供する。これが私どもの法人の基本コンセプトです。徹底して病院らしくない病院をテーマとしました。
現状の医師不足や医療スタッフの救急診療離れ、病床規制、保険医療費の削減など、すべてが逆風の中であり、荒れ狂う海原へ出航する決して戻れない小舟のような身震いするような心境ではあります。しかし、皆様の愛情溢れるご支援のもと、これからもまっすぐに進んで行く決意です。